2010年08月28日

歯科医の現状?

「儲かる時代はとうに終わった」赤貧・歯科医の告白

プレジデント8月25日(水) 10時30分配信 / 経済 - 経済総合
■コンビニの数より多い……

「投資に失敗したなどの理由ではなく、本業の赤字で夜逃げする歯科医が現れました。多くの歯科医院が内部留保を取り崩すジリ貧の状態です」
 悲愴感を漂わせるのは、昨秋、都内に歯科医院を開業したばかりの若手歯科医、山崎拓哉さん(仮名、33歳)だ。
「昨年参加したお寿司チェーン『すしざんまい』での歯科医師の親睦会で、同業者は口々に『保険診療だけなら、1日30人の患者を治療しないと赤字』と話していました。実際に、きちんと治療しようと思えば、一人の歯科医師では1日7〜8人が限界です。このままでは経営が成り立ちません」

 歯科医師を取り巻く現状は厳しい。1990年におよそ7万4000人だった歯科医師数は、2006年には9万7000人に増加。それも都会に集中し、「コンビニより歯科医院が多い」と言われるほどになった。
 一方、健康保険の対象となる治療に対して歯科医院に支払われる診療報酬のうち73項目の価格が、この20年間据え置きされている。歯科医療費全体も、この10年間停滞中。その間も歯科医師数は増加しているため、一人当たりの収入はドンドン目減りした。歯科医療白書によれば、歯科医の5人に1人は年収300万円以下だという。

 山崎さんも、その5人に1人の“負け組”だ。私立歯科大を卒業後、都心の大手歯科医院に勤務中、周囲から結婚を勧められ、お見合いパーティーで知り合った女性との結婚をきっかけに開業することになった。実情を知らない周囲からは「うらやましい」と言われることも多いが、薄給だった勤務医時代よりも最近のほうが経済的に追い込まれているという。
「恥ずかしい話ですが、この年まで女性と付き合ったことがなく、初めての女性に舞いあがって、結婚を急いでしまった。妻や、妻の両親は歯医者が金持ちだと誤解していて、『すぐ開業したほうがいい(=もっと儲けろ!)』と迫られました。そのときは妻のため、と思って一念発起したのですが、診療機器のリース料と家賃、妻の実家に強いられて建てた自宅の住宅ローンの支払いに追われています。義父によると『開業して儲けたお金で遊びに行かないようにローンを組ませた』とのことですが、女性と遊んだりする経済的余裕などありませんよ」


■昔は歯医者にマルサが来た

 歯科医院の経営状態がよかったのは、80年代までだという。日本に歯科医師が少なかった70年ごろ、歯科医療の画期的な技術革新が起こり、いち早く新技術を身に付けた歯科医のもとに多くの患者が集まった。さらに、その治療が保険適用の診療になるまでのタイムラグで、多くの患者が良質な歯科医療を受けるために、自費での自由診療による治療を選択し、歯科医院は大きな利益を上げることができたのだ。
 当時を知るベテラン歯科医(すでに引退)の一人は、「詰めるものも、かぶせるものも、すべてが変わりました。ちょうど、高度成長期で日本中が豊かになってきた時期でもあり、多くの人が、自分の歯にお金をかけたのです。毎年、億単位で売り上げがありました」と振り返る。

 いまでは、定員割れも珍しくなくなった大学の歯学部もわが世の春を謳歌していた。
「東大には歯学部がありません。そのため、東大合格を蹴って入学してくる学生も毎年何人もいました。
 最終学年になると大学付属の病院で、実際の患者を相手に実習が行われるのですが、歯科医師のタマゴと顔なじみになれると考えた女子学生が、痛くもない歯を抱えて殺到したのです。三段重ねの手作りのお弁当をたずさえていた女性もいました。みんなうれしそうに食べていましたね」(東京医科歯科大学OBの歯科医師・50代)
 山崎さんも、先輩歯科医師から、歯科医の黄金時代の話を聞いたことがある。
「バブルも重なって本当にいい時代だったようです。レジの中は1万円札であふれ、閉めることができなかったといいます。スチュワーデスと結婚するのも当然のような風潮だったようで、松田聖子も歯科医師と結婚しましたよね。あのあたりが歯科医師のギリギリよかった時代の最後のようです」

 保険外の自由診療は、歯科医師側が価格を設定できたため、収入は膨大なものとなった。その一方で、脱税で摘発される歯科医師も目立つように。「パチンコ屋、歯医者、産婦人科医は脱税御三家」と言われていた時代もあった。
 山崎さんの知人にも、そんな黄金時代に、国税局のマルサから査察を受けた歯科医師がいるという。
「少額の脱税では、地元の税務署が来ます。歯医者には、国税のマルサですよ。僕なんて、収入が少なすぎて、還付金をあてにしています」


■「儲かる」幻想に振り回される

 そんな歯科医の黄金時代は、保険制度の変化とともに終焉。先述のベテラン歯科医は「81年、健康保険の1割の自己負担が導入されたことが、終わりの始まりでしょう。それまで保険治療はタダでしたから、患者は1割でも非常に大きな負担に感じたと思います。それが、97年には2割、今では3割負担です。病気になれば病院に行こうと思うでしょうが、歯が少し痛むくらいでは歯医者には行かなくなってしまった。目新しい技術革新もないまま、バブルが崩壊してずっと不景気。日歯連による自民党橋本派への巨額の不正献金事件が発覚し、社会的地位も著しく下がってしまった」と説明する。

 健康保険法の改正の一方で、国は医師および歯科医師を増加させる政策を実施した。医大、歯科大の新設ラッシュが起こり、大幅に定員増。医師も、歯科医も急激に増加した。特に歯科医は「儲かる」イメージが強い割に、医学部よりは偏差値も低く、希望者が殺到することになった。
「僕もだまされたクチですね」と山崎さん。
「僕が受験したころにはもう、歯科医が儲かる時代は終わっていました。学生時代は忙しくてそんなことも知らず、勤務医のころも、毎日の仕事に追われて、世の中が変わったことに気がつかなかった。開業すれば、先輩の先生方みたいに銀座で豪遊できると信じきっていました」

 厳しい環境に置かれている歯科医師だが、山崎さんのように都心のビルに開業しているケースは最悪だ。
「地方はまだマシです。家賃が安いですから。坪単価5000円の場所にある診療所でも、坪単価5万円のビルの診療所でも、保険点数は同じです。明らかに都心の歯科医に不利な仕組みです。都心の患者は高額な自由診療が多い、とも言われましたが、この不況でたまに初診患者が来ても保険内診療ばかり。
 歯科医師とは肩書だけで、景気がよかったころに買った投資用マンションの賃貸収入で生活している人も多い」と山崎さん。

 先月、山崎さんは妻の誕生日に、苦しい家計の中から、3万円の宝飾品を贈った。
「値段をネットで調べたのでしょう。次の日から不機嫌に。『去年までのプレゼントは5万円だった。あんたのせいで私は不幸よ!』って。そのとき頭をよぎったのは、はじめから1万円のものをあげていたら3万円で喜んだのではと考えました。地獄です」


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河崎美穂=文


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どんな業界でも、いい話と悪い話があるものですがどうなんでしょう?
国立大の歯学部出身の先生から今や同級生の年収を聞くと
うらやましいとおっしゃる方も居られますが、大手企業のサラリーマンも
競争に勝って来たからでしょう。

たくさん売り上げを上げている歯科医院も多いはず。

ただ、うまい技術を持ちながら、経営的なセンスが低く
患者数が伸び悩んでいる先生を見ると、もったいないなぁと思ったりもします。

逆に上手くもないのに、新しい技術や器械を入れ、歯科医院を常におしゃれな感じにして
丁寧に説明している先生のところが、多くの患者さんに支持され流行っているのを見ると
う〜んと思いながらも尊敬してしまうこともあります。

ただいずれはメッキは剥がれるもの
今後は、これら両面を持ち合わせた先生が残っていくようにも思います。
posted by M管理人 at 08:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月14日

流星

13日の夜、ニュースで知った流星を見に夜中1時間ほど
空を見上げておりました。

去年のふたご座流星群は、たくさん見れましたが
今年は残念ながら1時間ほどで一つしか見れませんでした。

http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/lifepark/ksc/tokusyu/per/index.html

残念ながら昨日今日ときれいに星空が見えるほどのコンディションではなく
残念ですが明日以降に期待します。
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2010年05月04日

4月29日。

新宮の長谷先生にお誘いを受け
兵庫歯科医師会館に「中村健太郎先生」の講演会に行ってまいりました。

長谷先生は山崎の田内先生とご参加されており
会場では揖保川町のI先生にもお目にかかりました。

講演内容は技工士サイドから聞くとはごくごく当たり前のことを
お話されていましたが
翌日、プレスの単冠のセット立会いで近くの取引先にお伺いして
見た現実は、とても講演内容には程遠い厳しいものでした。

機材や石膏やアルジネートの混水比を計って使用していただきたいところですが
最低限何か一つを実践いただけるのだとしたら

アルジネート・寒天では印象採取後、速やかに石膏を注入していただけること。です。

丁寧に作っていただいたテキストには、いろいろメモさせていただきました。

当社の取引先の先生で講演内容をお知りになりたい方はお尋ねください。
posted by M管理人 at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 講演会・実習会参加報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月15日

FCKからMBに変更?

保険のFCKからMBに変更になったようで
マージンの設定が?と思いつつ製作。

000MB小臼歯.jpg

おまけで臼歯Br
パウダー築盛
000臼歯Br1.jpg

焼成後
000臼歯Br2.jpg

完成
000臼歯Br3.jpg

もうちょっと何とかならんかなぁ〜
というのが本音です。
posted by M管理人 at 05:10| Comment(0) | TrackBack(0) | メタルボンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ツインタワー?

ep5000×2.jpg

1号機、2号機フル回転!
なんて言ってみたいですね(笑)
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2010年03月17日

歯周病治療に。

今日の読売新聞に載っていた記事です。

歯周病、脂肪の幹細胞で治療…阪大教授、動物実験で組織再生に成功
 重い歯周病で欠損した歯の根の部分に、脂肪の幹細胞を移植し、歯周組織を再生することに、大阪大歯学研究科の村上伸也教授らが犬の実験で成功した。採取時の患者の負担が少なく、安全性の高い脂肪を使う新たな手法として注目される。18日に広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。
 歯周病は、細菌が歯を支える歯周組織を溶かし、末期には歯が抜け落ちる感染症。軽い症状も含めると成人の約8割が感染しているとされる。
 村上教授らは、重度の歯周病を起こしたビーグル犬の脂肪を10グラム余り採取。様々な細胞に変化する幹細胞を取り出し、歯周組織の欠損部の半分に移植した。
 6週間後に顕微鏡で歯周組織を観察すると、移植した部分には歯槽骨やセメント質などが、欠損部の8割を埋める程度にまで再生していることを確認した。村上教授は「来年にも臨床研究を始めたい」としている。
2010年3月17日  読売新聞)
posted by M管理人 at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月16日

不景気です。

久しぶりの更新です。

2週間ほど前に急遽取引先のメインラボの身内の方が危篤ということがあり
病院に入院するまで当社のほうに仕事の依頼があり
バタバタ焦りながら仕事をしていました。

基本的には取引先さまから当社に依頼される仕事量は
毎月だいたい決まっておりそのバランスが急に少し変わると
とんでもないことになります。
仕事のほとんどは約1週間ほどで落ち着いたのですが
同じペースに戻すのに、さらにそこから1週間ほどかかりました。

毎月、毎日の売り上げとにらめっこしながら
さらに前3年ほどの同月同日との売り上げも参考にしながら
仕事をしているのですが上記の臨時収入がなければ
今月の売り上げはかなり落ち込んでいたなと思います。

当社近くの工場も完全に移転が進んできたのか
それとももう移転終了したのかめっきり明かりや駐車場の車が無くなってきました。
と同時に近くのコンビニも閉店になったりとおそらく当分は
社会全般よりさらに進んだ、地域の景気低迷が続きそうです。

当社自体も取引先のほとんどが当社近郊であるため
影響が出ているのかもしれません。

いつも仕事量が少なくなるかなと心配すると
何かに助けられるように仕事が入って来ましたが
そろそろ自力で売り上げアップを目指そうと動き出した
今日この頃です。わーい(嬉しい顔)
posted by M管理人 at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月15日

報道 NEXTを見て。

すごいですね。
2週にわたっての中国(海外)輸入歯科技工物問題。

金属に有害物質のベリリウムが含まれていて
その有害金属を輸出しているのは日本企業とのこと。

日本の歯科医師が指示した内容と違う歯科技工物が納品されたこと。
(日本国内で歯科技工士国家資格を持たない者が作った歯科技工物を
歯科技工物といって良いのか悪いのかは疑問だが・・・・)

人件費が高く物価の高い日本国内で国家資格を持った技工士が作った日本製の技工物を
少しでも経費を抑えたい歯科医師が使わず、差額で儲けたいがために
自分の歯科医院に歯の治療を受けに来られた患者さんに
何の説明も無く装着している実態を報道していましたね。

現実にはわずかな仕事しか無く、奥さんの給料で食っているような技工士さんから
年収ン千万の技工士さんまで居られますが
今回は400万の技工士さんにスポットが当てられ報道されていましたね。

また、長時間労働は歯科技工物の製作過程を考えると
仕方の無いところですが、働いても報われない業界のことも伝えられていました。

僕は本音で言えば、この国には労働基準法があり
その法律は全ての労働者が守られるべき法律だとは思うんですが
適用されにくい業種もたくさんあると思うんです。
そうなると従業員を雇うことは難しいですから、この国では違法雇用をしないためには
自分一人で働く事業形態が受け入れられやすいということになっているんじゃないかとも思うんですが
どうなんでしょう。

また、作業風景の映像では中国の「技工物製作労働者」は
日本国内では自費技工物のセラミックを作っている映像でしたが
日本の「歯科技工士」の映像では保険適用のメタルクラウンの
研磨の映像になっているのが印象的でした。
このあたりに良くも悪くも国民皆保険制度のある国と保険制度が整っていない国との
違いが映し出されているように思いました。

保険制度が有り、治療費の個人負担を軽くするために
国が定めた高くも低くも、ある一定の水準の治療は受けられる日本と
保険制度が国の制度として整備されてなく自分で受ける治療を選べる国では
大きな違いが有りますね。

さて、長妻大臣や厚生労働省はこれから海外輸入歯科技工物についての
ある一定のルール作りをするそうですが
どうなんでしょう?
一気に法整備をした後、輸入歯科技工物解禁なんてことにならないでしょうか?

また。今回の報道で我が県では2校あった歯科技工専門学校は
すでに閉科されなくなりましたが
他県の歯科技工士専門学校も学生の応募が減り
閉科・閉校の方向に加速され向かって行きそうな気がします。

高校卒業のときに、歯科技工士学校を受験する時に
願書に書いた志望動機は
    1.人の役に立つ仕事をしたい。
    2.社会福祉に貢献する人間になりたい。
でした。

歯科医院に勤めていた時に自分の作ったセラミックの歯科技工物が
装着された患者さんに「ありがとう。どれを入れたのかわからない」と
言ってくださった時の喜びは今でも忘れることが出来ません。

まじめに仕事をしていると今でもたまにですが
そんな喜びが有る事もあり、とても良い仕事だと思うんです。
収入は働いた量に対して見返りは少ないですが
頂いている収入分は生きるため。
頂いていない分は社会貢献だと思うとまだまだ続けるに値する仕事です。

とにもかくにも、今回の報道をきっかけに
まず患者さんが安心安全な治療を何も気にせずに受けられる
環境整備とルール作りに加え、少しでも歯科医療業界が良くなる様な方向に
なればと願っております。
posted by M管理人 at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月12日

ヒント

脳科学理論が解説。「集中力」が増す3つの仕かけ

プレジデント2月12日(金) 10時 0分配信 / 経済 - 経済総合
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脳科学理論が解説。「集中力」が増す3つの仕かけ
林 成之 日本大学総合科学研究科教授
■なぜ残り10メートルで世界記録を取り逃してしまうか

 北京五輪の代表選考会に来てくれと頼まれて東京辰巳国際水泳場に行ったとき、私は北島康介選手の泳ぎを見て驚いた。残り10メートルで、明らかに世界記録よりも体半分前に出ていたのだ。
「おおっ、やった!」
 思わず私は立ち上がったが、タイムは世界記録に0.43秒及ばなかった。
 北島のタイムを見た全日本の平井伯昌コーチが、日本選手はゴール前が弱いのだと言った。私は、原因は10メートル手前でもうゴールだと思って泳いでいるのではないかと読んだ。これを聞いた選手たちは、当然のことだが、自分たちは必死で泳いでいるのにという態度を示した。
 私が、「全力で泳いでいない」と言ったのには訳がある。脳の機能は「ゴール間近だ」と思った瞬間に低下し、それに伴って運動機能も低下するのだ。脳の自己報酬神経群という部位の仕業である。

 自己報酬神経群とは、その名の通り「自分へのごほうび」をモチベーションに働く部位であり、この部位が活発に働かないと脳は活性化しない。
 重要なのは、活性化はごほうびが得られたという「結果」によって起こるのではなく、ごほうびが得られそうだという「期待」によって起こる点だ。ごほうびが得られた、つまり結果を手にしたと思うと、むしろ脳の機能は低下してしまうのである。
 集中力を持続するには、この脳の仕組みを利用すればいい。ゴールの仕方に集中する。あるいは、目標よりも遠くにゴールを定めるのだ。そうすれば、実際のゴールの手前で脳のパフォーマンスが落ちることはなくなる。
 私は平井コーチに、この脳の仕組みを説明した。コーチと北島選手が取った対策は巧みだった。プールの壁をゴールだと思うのではなく、壁にタッチした後、振り向いて電光掲示板を見た瞬間をゴールだと考える訓練を重ねたのだ。
 この私のアドバイスから1カ月後、北島選手は見事、世界記録を塗り替えた。

■一流選手が常に「まだ課題がある」と口にする理由

 面談をしていて、「私はコツコツ努力するタイプです」と言う人を、私は信用しない。その言葉を聞いたとたん、「コイツはダメだな」と思ってしまう。
 むろん、コツコツ努力するのは、まったく努力しないよりははるかにいい。しかし、コツコツ努力する人が大きく成長することはないし、一流の人間になることもない。
 一方、一流のスポーツ選手の言葉を聞いていると、ある共通項の存在に気づく。「まだまだ努力が足りない」「まだまだたくさんの課題がある」というように、一流になればなるほど、自分はまだ目標に到達できていないと、謙虚というより自然に口にする。しかし彼らは、コツコツ努力するとは決して言わない。
 これは、脳の仕組みから考えると、とてもよく理解できることだ。

 脳には自己保存本能がある。文字通り「自分を守りたい」という本能だ。より根源的な脳の3つの本能、すなわち「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」のうち、「生きたい」という本能から派生してくる、第二の本能である。
 コツコツ努力するとは、一歩一歩着実に努力しようということであり、この言葉の背後には、「失敗しないよう慎重に事を運ぼう」という意識が隠れている。失敗すると自己保存が危うくなる。だから失敗しないように、コツコツやろうというわけだ。
 自己保存本能は人間にとって大切なものだが、「失敗するかもしれない」という否定語は、この自己保存本能に過剰反応を起こさせて、脳の働きにブレーキをかけてしまう。それゆえ、コツコツやるという人は、自分が現在持っている以上の力を発揮することが難しいのである。
 反対に、とても到達できそうにない目的に向かって一気にかけ上がろうと考えると、脳は信じられないほど高いパフォーマンスを示してくれる。つまり、実際は長距離走の場合でも、短距離走のつもりで全力疾走を繰り返すことで、あるところから人間の能力はぐーっと伸びてくる。
 そして一気、一気でダッシュを繰り返して、ふと気付くと、到底超えられそうもなかった壁を突破しているものなのだ。そんな人のことを世間は、異様な集中力を持った人と呼ぶ。

 一流のスポーツ選手がみな謙虚な言葉を口にするのは、無意識のうちにこの脳の仕組みを知っているからだろう。彼らは、簡単に手の届く目標に向かってコツコツと努力などしない。
 常に、高い目標を掲げて、目の前の事に全力投球しているからこそ、「まだ足りない」と口にするのだ。彼らは決して、謙虚な性格の持ち主ではないのである。
 北島選手へのアドバイスで難しかったのは、ブレンダン・ハンセン選手の存在についてだった。ハンセンは当時、100メートル平泳ぎの世界記録保持者であり、北島の最大のライバルだった。
 これはスポーツだけでなく、あらゆるジャンルに言えることだが、人間は結果を求めると、持てる能力を十分に発揮することができなくなる。スポーツで言えば、「敵に勝とう」と思った瞬間、能力にブレーキがかかってしまう。
 なぜかと言えば、これは脳の持つ根源的な本能に反することだからだ。


■ライバルは自分を高めるためのツールと思え

 先ほど述べたように、脳には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という3つの根源的な本能がある。この3つの本能に逆らうことをやると、脳のパフォーマンスは急激に落ちる。そして「敵に勝つ」は、「仲間になりたい」という本能に真っ向から逆らう考え方なのだ。地球の歴史の中で多くの生物が絶滅していったが、絶滅した生物の共通点は、周囲にいる仲間とうまくやっていけなかったことである。

 では、ハンセンのことをどのように認識すれば、北島は脳のパフォーマンスを最大限に高めることができるのか。私は北島を含めて全員に、こうアドバイスした。
「ハンセンをライバルだと思っちゃいけない。自分を高めるためのツールだと思いなさい。そして、最後の10メートルをKゾーン(北島ゾーン)と名づけて、水と仲間になり、ぶっちぎりの、感動的な泳ぎを見せる舞台だと思いなさい」
 つまり、ハンセンとも水とも「仲間になれ」とアドバイスしたのだ。これなら、脳の本能に反することはない。
 結果はご存じの通り、北島は見事金メダルを獲得し、ハンセンは4位に沈んだのである。

 結果を求めるあまり能力を発揮できない愚を避けるには、目標達成の「仕方」にこだわるのがいい。勝負に懸けるのではなく、達成の仕方に勝負を懸けるのだ。そして、損得抜きの全力投球をする。
 結果を求めず、達成の仕方に全力投球するとき、人間は信じられない集中力を発揮する。ポイントは、「損得勘定抜きに」だ。損得勘定とは、実は、結果を求める気持ちにほかならないからである。

●point 1:ゴールを決めない
●point 2:コツコツやらない
●point 3:結果を求めない



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林 成之
1939年、富山県生まれ。日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了。救命救急の医療に取り組み、日本大学医学部教授などを経て、日本大学総合科学研究科教授。2008年、北京五輪の競泳日本代表チームの結果に貢献した。

山田清機=構成
小原孝博=撮影

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  • 最終更新:2月12日(金) 10時 0分
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2010年01月22日

インプラント使い回しの歯科医 自殺図る



歯科医、首切り自殺図る インプラント使い回しの疑い2010年1月20日12時35分
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 使用済みインプラント(人工歯根)の使い回しの疑いが指摘されている愛知県豊橋市の歯科医院の歯科医(39)が20日朝、同県田原市の自宅で首に切り傷を負い、倒れているのを妻が見つけ、119番通報した。同市内の病院に搬送されたが、命に別条はないという。田原署は歯科医が自殺を図ったと見ている。
posted by M管理人 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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